海外から貨物を輸送する際、海上輸送は最も一般的な手段の一つです。しかし、海上輸送にはLCLとFCLという2種類の方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
この記事では、LCLとFCLのそれぞれの特徴と、M3や重量に基づいた目安となる費用を解説します。さらに、LCLとFCLの分岐点について詳しく解説し、どちらの輸送方法を選択すべきかを判断するためのポイントを説明します。
LCLとFCLの違いは?
LCLはLess than Container Loadの略称で、コンテナ1個分の貨物量に満たない小口貨物を輸送する方法です。複数の荷主の貨物をまとめて1つのコンテナに混載するため、少貨物の輸送に適しています。
FCLはFull Container Loadの略称で、荷主がコンテナ1個を丸ごと借り切って貨物を輸送する方法です。大量の貨物を輸送する場合に適しています。コンテナには長さが2種類あり20フィートと40フィートで、みなさんが良く見る長いコンテナが40フィートのコンテナです。
20GP(20フィート)サイズ |
容量32m3 |
積載貨物容量25m3が目安 |
重さは約28トンまで |
40GP(40フィート)サイズ |
容量65m3 |
積載貨物容量55m3が目安 |
重さは約26トンまで |
LCLとFCLそれぞれの特徴は?
LCLとFCLの違いを表にまとめました。リードタイムの違いは、日本の港についてからLCLの場合デバンと言って荷物を荷主毎に分ける作業がある為FCLよりも時間が掛かります。またFCLはコンテナに荷物を積む時、飛行機の預け荷物と一緒で、丁寧には積んでくれないケースがありますのでカートンダメージなどのリスクは高くなります。
項目 |
LCL |
FCL |
輸送量 |
小口貨物 |
大量貨物 |
コスト |
貨物量が少ない場合は安価 |
貨物量が多い場合は安価 |
混載 |
他の荷主と混載 |
他の荷主と混載しない |
リードタイム |
長い |
短い |
紛失・破損リスク |
比較的高い |
比較的低い |
セキュリティ |
低い |
高い |
LCLとFCLの分岐点は?
LCLとFCLの分岐点は、貨物量によって決まります。一般的には、以下の目安となります。
- 貨物量が14M3以下:LCLの方が安価
- 貨物量が14M3超:FCLの方が安価
ただし、これはあくまで目安であり、輸送距離や諸費用によって分岐点は変動します。正確な分岐点は、フォワーダーに問い合わせて確認する必要があります。
コンテナ1本で出荷する方が、当然運賃も安くなります。20フィートコンテナ(20GP)であれば26~27CBMの半分13~13.5CBMあれば、混載よりも安いと言われています。また貨物の量や重さにもよりますが、物量が10CBMを越えれば混載よりもコンテナの方が安い事もあります。
貨物のM3(立方メートル)がわかったら輸入代行をしてもらえる乙仲業者に相談して、アドバイスをもらって出荷方法を決めましょう。
まとめ
LCLとFCLは、それぞれメリットとデメリットがあり、どちらが最適かは状況によって異なります。貨物量を基準とした目安はありますが、損益分岐点は様々な要素によって変動するため、それぞれの貨物の状況に合わせて慎重に判断する必要があります。参考までに10カートン以下の場合は『エア』や『クーリエ』が安いこともありますので、事前のお見積りを取るようにしましょう。
プチ情報を1つ。中国とのお取引の場合、通常FOBであれば現地のフォアダーは、日本側が指定できるという条件ですが、中国の場合は、中国側でフォワダーを指定するケースが多々あります。その場合は、乙仲業者にしっかりと請求内容の確認をしてもらって下さい。本来かからない費用の請求項目があったりしますので、注意が必要です。
コメント