アメリカのカリフォルニア州、ラスベガスに程近い『デスバレー』では、1913年に56.7℃という驚異的な気温が記録されました。 これは、今でも世界の史上最高気温です。デスバレーを直訳すると『死の谷』で、この高温が名前の由来かと思いますが、実は違うんです。
ゴールドラッシュさなかの1849年、カリフォルニア州にある金鉱地へ向かっていたグループが近道をしようとしてこの谷に迷い込み、数週間さまよった末、メンバーの数人が酷暑と水不足によって命を落としたことがこの名の由来です。
この記事では世界の最高&最低気温トップ3と日本の最高&最低気温トップ3をご紹介します。
世界の最高気温トップ3は?
<第1位>アメリカのデスバレー〜1913年 56.7度
「世界一暑い場所」とよばれているのがこのデスバレーです。アメリカ西部のカリフォルニア州に広がる乾燥地帯で、デスバレー国立公園はアメリカでも最大の面積を誇ります。「死の谷」という名前のとおり、四方を山脈に囲まれた独特の地形から熱がこもりやすく、最も低い地点は海抜マイナス86メートルと海面よりも低くなっています。
今から約100年前に観測された数値のため、正確な気温かどうかの議論もありますが、2020年にも54.4度を記録するなど、世界で最も暑い場所のひとつであることは間違いありません。
<第2位>チュニジアのケビリ県〜1931年の55度
チュニジアは北アフリカにある国で、首都はチュニスです。正式名称の「アル・ジュムフーリーヤ・ッ・トゥーニスィーヤ」は「チュニスを都とする共和国」という意味です。北側には地中海やイタリアのシチリア島、西にはアルジェリア、南東にはリビアが位置しています。
ケビリは、アルジェリアとの国境付近にあり、ジェリド湖というサハラ砂漠北部最大の塩湖があります。夏は気温40℃を超え暑く、冬はマイナス5度まで下がるという気温差の激しい過酷な地域です。しかしケビリには約14万人が暮らしており、人が活発に住む地域としては世界で最も暑い場所と言えます。
<第3位>イランのアフヴァーズ〜2017年の53.9度
イランの都市アフヴァーズは、日本ではアフワズとよばれます。イランは中東アジアにあるイスラム教の国家で、首都はテヘランです。
イランはかつては「ペルシャ」とよばれており、古くからある文明が栄えた地域です。アフヴァーズはフーゼスターン州の州都で、多くの油田があるイラン有数の工業地帯です。夏の平均気温は45度と非常に暑い地域で、周囲は砂漠で夏はほとんど雨が降りません。
そのため砂嵐やダストストームが頻繁に発生します。冬の気温も18度近くまで上がり、雪が降ることはまずないそうです。油田が開発されてから大気汚染がひどく、2011年には世界保健機関(WHO)から「世界で最も汚染された街」と指摘されています。
世界の最低気温トップ3は?
<第1位>南極にあるボストーク基地〜1983年の-89.2度
世界最低気温は、文字通り世界の最果てにある南極の氷上観測基地があるボストークの-89.2度です。その気温のみならず、常に吹き付ける強風や4ヶ月間に及ぶ極夜といった特殊過ぎる気候から、人類が定住するのは非常に困難とされています。
ただ基地が乗る厚い氷の下には南極最大の湖・ボストーク湖が広がっており、そこには原始の生物が存在されているともいわれています。極寒の難所でありながら、世界中の科学者の熱視線を浴び続けるロマンあふれる場所なのです。別の調査では、南極の東南極高原で-100度にまで下がると言われていますが、正式な記録としては認められていないようです。
<第2位>グリーンランドにあるクリンク自動気象観測所〜1991年の-69.6度
世界第2位の最低気温、かつ北半球の史上最低気温が、グリーンランドの観測所で記録された-69.6度です。ここは標高3,105mの高地にあった無人基地で、1989年から1994年まで基地が設置されていたそうです。
2020年、WMOの「気象気候極値アーカイブ委員会」が世界の気象データを整理していたところ、この気温の記録が発見され、世界第2位の最低気温に認定されました。
<第3位>ロシア/サハ共和国のベルホヤンスクとロシア領内シベリアのオイミャコン〜1892年と1933年の-67.8度
ロシアのサハ共和国のベルホヤンスク、そして同じくロシア領内のシベリアの街オイミャコンの-67.8度が、同記録で3位となっています。定住者のいる地域としては世界で最も寒い、まさに“ベスト・オブ・極寒の街”です。
永久凍土の中で暮らすというのは想像もつきませんが、釣り上げた魚を瞬間冷凍できる、感染症のリスクが低い(この気温ではウイルスが生きられないため)などという寒さにたえたからこそのメリットもあるそうです。
日本国内の史上最高気温は?
1位:浜松(静岡県)、熊谷(埼玉県)41.1度/2020年8月17日、2018年7月23日
3位:美濃(岐阜県)41.0度/2018年8月8日
記録年度を見てもここ最近の最高気温の記録が多くなっています。歴史を紐解いてみると、1923年の9月2日に東京で記録した46.3度というものがあります。これは関東大震災の翌日に、大火災の影響でこの気温になったのではないかと気象予報士の森田正光さんが言われていました。
日本国内の史上最低気温は?
1位:旭川(北海道)-41.0度/1902年1月25日
2位:帯広(北海道)-38.2度/1902年1月26日
3位:江丹別(北海道)-38.1度/1978年2月17日
日本国内の最低気温は、やはり緯度の高い北海道が上位を占めています。何とも想像がつかないマイナス気温ですね。
地球温暖化の影響なのか、近年日本でも高温が続く夏になっています。地球温暖化対策は地球規模の大きな問題ですが、まずは自分の体調管理や暑さ対策をしっかりとして、暑い夏を乗り切りましょう。
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