正解をいうと茨城県も大阪の茨木市も、どちらも呼び方は『いばらき』で『き』は濁りません。宮城県や栃木県は『みやきけん』や『とちきけん』とは呼ばず濁音にして『みやぎけん』『とちぎけん』と呼びます。
「茨城」と「茨木」。この二つの地名、あなたはどちらを「いばらき」と読みますか?実は、どちらも「いばらき」と読むのが正解なんです。でも、つい「いばらぎ」と読んでしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は、茨城県と大阪府茨木市の正しい読み方を徹底解説!なぜ「いばらき」と読むのか、その由来や歴史的な背景もご紹介します。また、「いばらぎ」と誤解されてしまう理由や、地域差についても深堀りします。
この記事を読めば、「茨城」と「茨木」の読み方の疑問がスッキリ解決!あなたも今日から自信を持って「いばらき」と読みましょう。
なぜ「いばらき」と読むの? 地名の由来を紐解く
茨城県の名前の由来を紐解いてみると、奈良時代の初期713年に編さんされた『常陸国風土記』に、「茨城」の名称の由来として2つの説話が挙げられています。
1つは、朝廷から派遣された大臣一族の黒坂命が、先住民の賊を「茨棘」を用いて滅ぼしたという説と、黒坂命が人々を悪賊から守るため、茨で城を築いたという説が書かれています。これらは、いずれもヤマト政権の勢力拡大を英雄に仮託した起源説話としてよく見られるものであり、実際の起源については定かではありません。
大阪の茨木市の名前の由来は、この土地にイバラの木が多いことから生じたという説、「味木の里」が鈍ったという説、坂上田村麿が茨を切り取り「荊切りの里」を作ったことによる説など諸説あります。
宝亀年間には「荊切」と表記されていたが、正治年間には現状の「茨木」表記が主として用いられるようになっていますが、その間「苅切」や「茨城」の表記だった事もあったようです。
「いばらぎ」と誤解される理由とは? 意外な原因にビックリ!
茨城県はなぜ「いばらぎ」と濁音で呼ばれるのでしょうか?その一つの理由としては茨城方言ではないかと言われています。地元の方は「いばらき」と言っているものの、聞く人には「いばらぎ」と聞こえてしまうのではないかというのです。
そしてもう1つ考えられるのが「宮城県」です。「宮城」は「みやぎ」と濁ります。これは、もともとは濁っていない音で始まる言葉が、他の言葉に結び付くことで濁音になる「連濁」というものなのです。
宮城のほかにも東京の稲城市は「いなぎ」、佐賀の小城市は「おぎ」など、「〇+城(き)」で連濁する地名が多くあるため茨城県も「いばらぎけん」と勘違いする方が多くおられるようです。
茨城県民のジレンマ
ここで茨城県のホームページに寄せられたこの問題についてのQ&Aをご紹介します。茨城県民の考えが現れています。
「いばらき」と言うのが正式名称ですが、県外の人はほとんどが、「いばらぎ」と発音します。茨城の事を知らない人は、「いばらぎ」と言う方が言い易いから「いばらぎ」と言っていると思います。
それを、「いばらき」と言い続づけるのは、みんなからあだ名で呼ばれているのに、いいえ山田ですと言っているのと同じで、親しみが湧かない。そこで、今後、公式な場面以外は、名称、発音を「いばらぎ」に統一しますと全国に発信したら、インパクトがあるのではないですか?
現代は、話題性やインパクトによって、人気など大きく変動する時代なので、名称や発音にこだわるよりも、みんなに親近感を持ってもらう方がいいと思います。
こんな県民の声に対して茨城県からの答えは
「茨城」の読み方につきましては,本県では,明治4年に茨城県が誕生して以来,「いばらき」としておりますが,「いばらぎ」と発音される方がいらっしゃるのも事実でございます。
その理由として,ご指摘のとおり,「き」と発音するよりも「ぎ」(鼻濁音)の方が発音しやすいことや,2語が結合して一つの熟語になる場合に,後ろの語頭の清音が濁音に変化する連濁(例:やまざくら[山桜],さんがい[三階]),「城」を用いた人名(名字)でも,宮城(みやぎ),赤城(あかぎ),葛城(かつらぎ)など,「ぎ」の発音が多いこと,あるいは,宮城県(みやぎけん)と同様に読んでしまうことなどが考えられます。
本県といたしましては,キャッチコピーやロゴマークなどにおいて積極的に平仮名「いばらき」やローマ字「IBARAKI」で表示しておりますほか,様々な機会を捉えて本県の名称を正しく「いばらき」と読んでいただけるようPRを行っているところでございます。
今後とも,なお一層の周知,広報に努めてまいりますので,引き続き,ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
地元の人たちもいろんな悩みがあるんですね。この記事をご覧になった方は、ぜひ「いばらき」と呼ぶようにしましょう。それが現在は正しい読み方ですので。
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