海外と取引をしていると、とても重要になってくるのが取引相手となる国の祝祭日情報です。海外旅行を予定している方も事前に祝祭日情報がわかれば、予定も組みやすいと思います。
そこで世界各国の祝祭日情報を地域ごとに調べてみました。今回はイタリアの祝祭日情報をお伝えします。祝日になった由来も合わせてお伝えします。
世界の祝祭日イタリア編
日本でも毎年日付が変わる『移動祝日』がイタリアにもあります。全国共通の祝日以外にも。各都市毎に独自の祝日があるのも特徴の一つです。まずは全国共通の祝祭日をご紹介します。
<1月1日〜Capodanno>元旦。新年の始まりを祝う日。家族や親戚と集まって食事をしたり、花火を見たりします。1月1日をお正月と決めたのはイタリアだと言われています。
<1月6日〜Epifania>公現祭。東方三博士がキリストのもとへ贈り物を持って来たことを記念する日。子供たちには、魔女ベファーナがプレゼントを持ってくると言われています。逆に悪い子には石炭が渡されるそうです。
<4月25日〜Festa della Liberazione>イタリア解放記念日。1945年のこの日、イタリアがナチスドイツから解放されたことを記念。イタリアで起きた戦争は少し複雑で、勝利や敗戦というよりも、ドイツ軍によって支配されていた北イタリアが解放され自由を手に入れた、という表現が正しいようです。カトリック系の祝日ではないので、教会でのミサはないものの、北部の主要都市では、パレードなどの催しが行われます。
<5月1日〜Festa dei lavoratori>メーデー。労働者の日で、このお休みはほぼ世界共通です。もともと「メーデー」は五月祭を意味し、夏の訪れを祝う祭りとしてヨーロッパ各地で開催されていました。この祭りでは労使双方が休戦し、一緒に祝うのが慣習でしたが、これが1886年5月1日にアメリカで起きたストライキ(「1日の労働時間は8時間にするべきだ!」というデモ)を起源に、現在の「メーデー=労働者の日」になったと言われています。
<6月2日〜Festa della Repubblica>共和国建国記念日。イタリア共和国が成立したことを記念した祝日です。第二次世界大戦後の1946年の6月2日、イタリアは王政を廃止し共和制となることを国民投票によって決定しました。共和国記念日は、その歴史的な日を祝福した国民の休日です。
<8月15日〜Ferragosto>聖母被昇天祭。カトリック教会の祝日で、聖母マリアが天国に昇ったことを記念。イタリアでは最も暑い時期にあたり、多くの人がバカンスに出かけます。カトリック教でもっとも大切なイエス・キリストの母・聖母マリア様が天に昇り召された日(聖母被昇天祭)を記念した祝日です。
<11月1日〜Tutti i Santi>諸聖人の日。天国にいるすべての聖人を記念する日。聖人とは、例えば、聖母マリア、12使途、パオロを初めとした新約聖書に出てくる人たちや、マグダラのマリア、キリスト教の殉教者、修道会の創設者、修道士、教皇・皇后などを指します。簡単に言ってしまうと、とても信仰深くほかの信者の模範になる行いをした方々のことです。11月2日は対して「死者の日」とされ、イタリア人は先祖のお墓参りをしたり、聖人を讃えたりします。日本でいうところのお盆に当たります。因みに、諸聖人の日は英語で『オールハロウズ』(All Hallows)と呼ばれ、その前日を『ハローズイブ』(Hallows eve)と呼びます。このハローズイブが訛り、今日の“ハロウィン”と呼ばれる日ができたと言われています。
<12月8日〜Immacolata Concezione>無原罪の聖母の御祝日。聖母マリアが無原罪の状態で宿られたことを記念。人間は、神が初めて作った人間であるアダムとイブの過ちのために、「罪の性質」を持って生まれるとされています。しかし、キリストの母マリアは、罪を持たずに、その母アンナのお腹に宿ったのです。その日を無原罪の御宿りの日といい、キリスト教徒に祝われることになりました。
<12月25日〜Natale>クリスマス。キリストの誕生日を祝う日で家族と食事をしたり、プレゼント交換をしたりします。11月中旬から始まるクリスマスマーケットや、無原罪の御宿りの日を終え、いよいよこの日は、イエス・キリストの誕生を祝います。
<12月26日Santo Stefano>聖ステファノの日。キリストの弟子であるステファノを記念する日でクリスマスと合わせて連休になります。
各都市毎の祝祭日は?
イタリアの各都市はそれぞれの守護聖人にちなんだ祝日を実施しています。主なものをご紹介します。
ヴェネツィア〜4月25日(聖マルコ)
フィレンツェ〜6月24日(聖ジョヴァンニ)
ジェノヴァ 〜6月24日(聖ジョヴァンニ)
トリノ 〜6月24日(聖ジョヴァンニ)
ローマ 〜6月29日(聖ピエトロと聖パオロ)
パレルモ 〜7月15日(聖ロザリア)
ナポリ 〜9月19日(聖ジェンナーロ)
ボローニャ 〜10月4日(聖ペトローニオ)
ミラノ 〜12月7日(聖タンブロージョ)
毎年日付が変わる移動祝日は?
復活祭(Pasqua)は、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日と決められていますので毎年、日付が変わります。この復活祭の翌月曜日も復活祭の月曜日(Pasquetta)でお休みになります。
イタリアの祝日は、宗教的な行事や歴史的な出来事と深く結びついています。それぞれの祝日には、イタリア人の生活や文化が反映されています。イタリアを訪れる際は、祝日情報を事前に調べておくことをおすすめします。
イタリア全土の祝日は年間12日間あり、それに加えて都市ごとにお休みがあります。またイタリアの祝日はパレードや催し物がとても賑やかで、街をおこしてお祝いをします。そのため、どの祝日も街の特色ごとに違った楽しみ方ができます。ポンテ(=橋)と言って、日本のゴールデンウィークのように、祝日と土日に挟まれた平日を休みにして連休にしてしまう文化もあります。
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